エディーHC「ボールに石鹸を塗る」驚きの練習法。その意図 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

BEST TiMES(ベストタイムズ) | KKベストセラーズ

エディーHC「ボールに石鹸を塗る」驚きの練習法。その意図

選手を伸ばす適切なプレッシャーの種類と強度【「プレッシャー」の力⑤】

■負荷⇒休息⇒成長のサイクルが大原則

――あまり厳しいプレッシャーをかけ過ぎて、選手がプレッシャーに押し潰されてしまうことはないか。

 ここで適切なプレッシャーの強度を見極めるのが、先ほど言った監督業におけるアート。確かに、潰れてしまうような強度ではダメだが、あまりにもゆる過ぎても成長は期待できない。

 たとえば筋肉を鍛えるためには、ウェイトトレーニングなどで激しい負荷をかけ、その後しっかりと休息をとることで、筋肉は強く、大きくなる。精神面でも、この原理は同じ。潰れる寸前の激しいプレッシャーをかけ、その後にしっかりと休息をとる。成長とは、こうして生まれるもの。

 この基本原則は、どんな種類のプレッシャーにも応用できるはずだ。負荷⇒休息⇒成長のサイクルは、どんな個人や組織を鍛える上でも共通するプロセス。辛いからといって厳しいプレッシャーを避けていても、意地になって休まずに鍛え続けていてもダメ。適切なバランスというものを、見つけなければならない。

KEYWORDS:

オススメ記事

エディー・ジョーンズ


 



1960年、オーストラリア、タスマニア州バーニー生まれ。オーストラリア人の父と、日系アメリカ人の母の間に生まれる。1990年代初頭まで、当時オーストラリアの最有力州チームだったニューサウスウェールズ州の代表として活躍、その後引退し、コーチに転身する。2003年、オーストラリアの代表監督としてW杯準優勝、2007年、南アフリカのテクニカルアドバイザーとしてW杯優勝。2009年、サントリーのゼネラルマネージャーに就任。2010年度より監督も兼任し、日本選手権優勝。2012年、日本代表ヘッドコーチに就任。2015年のW杯では、世界的な強豪南アフリカ代表に歴史的な勝利をして、ラグビーファンだけでなく日本中の注目を集めた。現イングランドの代表監督。イングランド代表に就任してからチームは連勝街道を走り、今年2月のシックスネーションズが始まるまでは23戦22勝。今年のシックスネーションズは、3敗を喫したがまだチームは成長過程。2019年、日本で開催されるラグビーW杯での優勝を見据える。


この著者の記事一覧